摂食障害 情報メモ

摂食障害の回復に役立つことや関連情報。忘備録。

季刊〔ビィ〕Be!132号

 アスク・ヒューマンケアが出版されている雑誌 季刊〔ビィ〕Be!132号を読みました。表紙には大きく出ていませんが、特集の一つ「アディクション臨床の中で生まれた5つの生きづらさへのアプローチ」(神奈川県立精神医療センター 小林桜児先生)が興味深かったです。

 

依存性者の子供時代の逆境体験を17項目に分類・集約しているのですが、その中には「慢性身体疾患」「厳格なしつけ」「過剰な期待」「家族の慢性身体疾患」「家族の精神疾患」「家族の物質乱用」が含まれています。見えづらい逆境であり、知識がなければ本人もそれを逆境と自覚すらしないものもあります。これを「暗黙の生きづらさ」と言っています。

いじめ被害、貧困、虐待のようなわかりやすい生きづらさの方が暗黙の生きづらさより深刻な問題を生じるとは限らないということです。暗黙の生きづらさは、疑問を持つことすらせずに「過剰適応」を呼び起こします。

 

SMATPPプログラムなどでは依存症への対処を学びますが、自分の感情に気づけない人には難しいことがあります。そもそも自分の苦しさに気がついていないからです。

 

そこで開発されたのがSCOP(Serigaya Collaboration for Open heart Project=こころを開くためのせりがや協働プロジェクト)です。感情に焦点をあてた入院治療プログラムです。

 

思えば私も入院中に、自分の感情に焦点をあてるグループ療法や認知行動療法を受けていました。

 

下の図は、日本アルコール・薬物医学会雑誌 第52号 第6号より書き写しです。

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小林先生はこの生きづらさのタイプから、アプローチを変えています。

タイプ1は、適切な相手と出会えれば、ある程度安定した信頼関係を築きやすく、SMARPPが有効、自助グループにも適応しやすてる

タイプ2は、過剰適応で感情を抑えていることが課題。

タイプ3は、人とのつながりを負担に感じ、あきらめが強いため、グループの導入に時間をかける。

タイプ4は、人との安定した関係を育てることが課題。まず1対1の治療関係から。

タイプ5は、依存症治療とPTSD治療を並行。

 

まとめで言われていることは、生き方を変えるにはストレス対処能力を上げる→「対人不信感を減らす」「拒絶されている感じを減らす」。「そのためには感情をそのまま認められ、承認されることで、自分の感情に名前をつけたり、感情を調節することができるようになる」

 

やはり「感情」に気づいて、同定して、そのまま認めること。人の中で支えられながら気付く体験。

 

昔の情報のない時代からすると、依存症などの回復への研究もここまできたかという感慨を持ちます。

季刊[ビィ]Be!132号

季刊[ビィ]Be!132号

  • 作者: ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
  • 出版社/メーカー: アスク・ヒューマン・ケア
  • 発売日: 2018/09/10
  • メディア: 単行本
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